2010年09月14日
取られてもいいから
先日の練習試合や、チーム練習でもそうなんですが
最近、特に新しいメンバーに言っているフレーズ・・・
「ボールを取られてもいいから、」
もちろん取られれば、即失点の可能性もありますし、
大事な大会などではセーフティーな選択をすべきですが。
あくまで今は練習試合だったり、チーム練習だったり・・・
勝ち負けよりも大事なことがあるわけで。
敵にボールを取られてもいいからチャレンジして!と言っている事がふたつあるのです。
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その1【苦し紛れで蹴らない】
当たり前だと思うかもしれませんが、なかなかこれができないのです。
敵に寄せられたりすると、取られるのが怖いのか、焦って苦し紛れに蹴ってしまう。
あるいは、つながらないだろそこは!というようなコースめがけて
一か八かみたいなライナー性のボールをいきなり蹴りこんでしまう。
こんなパス(いえ、パスともいえないようなキック)をやっていては
いつまでたってもチームとしてうまくなりません。
自分がドリブル中にボールを奪われるのも、
つながらないボールを蹴るのも、
敵にボールを奪われると言う点では同じです。
「安全な」「確実な」パスコースが見つかるまでは
自分の足元でボールを保持しなければなりません。
※ちょっと話はそれますが
「安全な」「確実な」パスコースというのは、
原則、グラウンダーのパスが通るコースのことをいっています。
素人ほど、ライナー性のボールを蹴ってしまいますが、
ああいうのはパスコースとここでは認めません。
実際、ライナー性のボールしか通らないパスコースではほぼつながりませんから。
話を戻して、チームメイトによく言っているのは
『ボールを取られてもいいから、安全確実なパスコースが見つかるまではむやみに蹴らないこと!』
敵に取られたくない気持ちは分かるし、焦る気持ちもわかります。
でもだからといってパコパコ蹴らないように。
敵に寄せられても、安全確実なパスコースを見つかるまでは蹴っちゃダメ。
足元でキープしてみてください、と。
先日も書きましたが、一秒がまんしてキープすれば、
味方の選手が五メートル動けるのです。
一秒キープすれば、かならずパスコースが生まれるはず。
このとき大切になる発想が、
これも昔からよく言ってきてはいるのですが、
「ドリブルって横や後ろに進んでもいいんだよ」ってことです。
前にドリブルで進もうとすると、敵に引っかかって取られるリスクがあります。
でも、横や後ろに進むと、そのリスクはかなり下がります。
イプシロンと呼ばれる守備戦術がありますが
ああいう敵が二人で囲んでくるような守り方だとツライですけど
一対一なら、横や後ろのスペースを全部使えば、
そんなにすぐ取られるということはないはず。
まあ、仮に取られたとしてもOKなので、
安全確実なパスコースに味方が入ってくるまでは
がまんして自分でボールを保持するようチャレンジしてみて!と。
バスケって、攻撃の制限時間がありますよね?たしか。
でも、フットサルって攻撃の制限時間ないんですよね。
てことは・・・焦って前にボールを進める必要はないってことなのです。
むやみに蹴りこむのはもったいない。
カウンター受けるだけです。
まず、その悪い癖を治していきましょう。
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その2『パスを出したら上がる(抜ける)』
フットサル独自の連動として“ローテーション”と呼ばれるものがあります。
もちろんいろいろな種類があるわけですが、
要は、最終ラインでパスを出したら、前線へ駆け上がり、
その代わりに別の選手が下がってくる、というもの。
(サッカーだとこういうのはないですよね。)
新しいメンバーにもまずはこの癖をつけなければ!
これは「癖」なので、何も考えなくても当たり前にできなければいけません。
疲れてボーっとしてきてもこの動きだけはさぼってはいけません。
フットサルにおいては、当たり前のことだからです。
で、ほんとは、状況に応じて、
駆け抜けるべきかどうかを判断する判断力も大事なんですが
新しいメンバーにまだ今この癖がついていないので、こう言いました。
『パスを受けた人が一人ぼっちになって孤立してボールを取られてもいいから
最終ラインで自分がパスを出したら、とにかく前線へ駆け抜けること!』
シンプルに。
パスを出したら走る。
何も考えなくていいので、とにかく、パスを出したらその場にとどまらない。
前線へ駆け抜けてください、と。
駆け上がる癖をつけなきゃ、という狙い。
同時に、前線の人が下がってくる癖もつけなきゃいけないのですが、
後ろの人がいなくなって、逆サイドの後ろの人が孤立して困っていれば
「あれ?俺が下がるんだっけ?」ってわかってくれるんじゃないかと。
パスを出した人が駆け上がるようになってくれたら次の段階として
前の人には、後ろいないよー!下がってー!って声をかけられるし。
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というわけで。
サッカー日本代表も、結果か内容か、みたいなことが問われますが。
うちのチームでいうと、結果か内容か、というと、
練習試合は、普段の練習でやっていることを試す場なので、
内容が大事です。
もちろん、勝てると嬉しいけど、もっと大事なこともあるはず。
取られてもいいから・・・・
失敗を恐れず、チャレンジしていきましょう!
そういう失敗を責める人はうちのチームにはいないはず。
意図は分かり合えてますから。
むしろ、味方がパスコースが見つかるまで必死にボールを保持してるなら
他の選手がパスコースに動いてあげて
ボール保持者を助けてあげなきゃいけないし。
後ろの人がパスを出して駆け上がっていったら
その代わりに誰かが下がってあげて
ボール保持者を助けてあげなきゃいけないし。
誰かがボールを取られてしまったのなら、
その人だけの責任じゃなく、周りのみんなにも原因があるということ。
最終目標は、チームとして連動すること、です。
常にそれぞれに果たすべき役割があるはずなのです。