三人目の動き
2010年09月23日
三人目の動き
『ワンピース』っていう漫画に、ロロノア・ゾロというキャラが出てきます。
刀を三本使って戦うという剣士です。
▼ロロノア・ゾロ談
“三本の刀を使うのと 「三刀流」とじゃ 意味が違う”
口が疲れそうですし、そもそも三本使う意味あるんでしょうか。
むしろ口の刀は邪魔なんじゃ・・・・などと思ってしまいますが
まー、そこは漫画の世界てことで。
一本でもすごいものが三本も連動して動くなら、
「三刀流」ってきっと三次関数的にすごいんだろうなー的な~
さてさて。
フットサル(サッカー)で「三人目の動き」という言葉があります。
ちゃんとしたサッカー指導を受けたりしてないので
あくまで自分なりの理解ですけれど。
ふつう、素人がフットサルをやるとこんな感じになると思います。
Aくんがボールを持っているときには、Aくんからパスを受けられるポジションへ動き、
AくんからBくんへパスが出たら、
今度はBくんからパスを受けられるポジションへ動く。
結局、Aくんからもパスがもらえず、Bくんからもパスがもらえず・・・みたいな。
動き回ってるのにパスがもらえませんよという状態。
でも、
Aくんがボールを持っているときに、Bくんへパスが出ることを予測し、
BくんがAくんからのパスをうける前に
あらかじめBくんからのパスを受けられるポジションへ動く。
こうすることで、Bくんがボールを持った瞬間、
自分へのパスコースが空いてることになり
Bくんからパスを受けることができるはずです。
(パス回しもスムーズになるはず)
このように、Aくん→Bくん→自分
自分が「三人目」となるようにボールの流れを予測して動くことも大事ですよね~、と。
そして、チームとしてその「三人目」をいかにうまく使えるかというのも
組織的な連動した攻撃ができるかどうかの第一歩です。
細かいパターンなどをあげていけば、それこそ無数に際限なくあるわけですが。
サッカーだと、オフサイドというルールがある特性上、
「三人目」が後ろから上がってきてオフサイドラインの裏へ飛び出していくようなイメージがあります。
AくんがBくんへパスを出している間に
Cくんが頑張って駆け上がっていって
Aくんからパスを受けたBくんが、Cくんへとスルーパスを出す、みたいな。
(※あくまでもイメージです、すみません)
一方、フットサル。
もちろん、フットサルでも、そういうイメージの攻撃もありますが、
ちょっとそれとは違う、フットサル独自の「三人目」のイメージがあると感じています。
フットサルの場合、コートが狭く、人数も少ないです。
サッカーだとパスを出して終わり(?)みたいなところがありますが
フットサルだと、AくんがBくんへパスを出したとしても
パスを出したAくんが攻撃の流れから消えることはありません。
むしろ、Aくんは、Bくんへパスを出したら
パスアンドゴーでゴール前に走っていき
BくんからAくんへボールが戻って、Aくん自身がシューターとなる・・・
こういうワンツーからのシュートと言うのがフットサルの定石。
ワンツーだとか、落としだとか、PIVO当てだとか
呼び方はいろいろだとしても、要は、二人の関係でシュートまでいけます。
で、ここに「三人目」のCくんが絡んでくるわけです。
先ほどの場面で言うと、
AくんからBくんへとパスが出て
Aくんがゴール前へ駆け上がっていくとすると、
守っているチームが通常もっともケアするべきなのが
ボールを保持しているBくんと、そしてパスアンドゴーで飛び込んでくるAくん。
Aくんへ落とすボールは守備側がかなりの集中力でケアしてますので
実際やってみればわかるとおり、すんなりとは通してくれません。(素人レベルでも)
そこで、Aくんの上がりをおとりとして使っておいて、
実際にはCくんにシュートを撃たせるのです。
Bくんが落としたボールを、「三人目」のCくんがシュートする。
どうしても「三人目」のCくんへの守備意識は低くなるので、
けっこうフリーで撃たせてもらえます。(素人レベルだと)
Aくんがボールを持っているときに、Bくんへパスが出ることを予測し、
あらかじめBくんからの落としをシュートできるポジションへ動く。
これがフットサルならではの、Cくんの「三人目」の動き。
もちろん、Aくんのおとりとなるフリーランがまずは必要だし、
BくんもCくんの動きを視野に入れておく必要があるので
Cくんの動きだけでシュートまでいけるというものではありません。
でも、フットサルチームならこのくらいの連動はできないと・・・と思うのです。
こういう三人で連動によるフィニッシュをもっと増やしていきたい。
去年はこういうのもけっこうできていたのですが、
なぜでしょう、なかなかそこまでの連動ができていないのが現状。
三本の刀を使うのと「三刀流」とじゃ意味が違うと、ゾロは言いました。
きっと、ゾロの三刀流っていうのは
三本がバラバラに動くのではないんでしょうね。(多分)
三本の連動があるからこそ生み出されるものがある。(多分)
フットサルも、なんとなく、それに通じる部分があるような気がするのです。
三本目の刀をどう活かすのか、ですよね