練習

2010年08月20日

一秒あれば


今年になってからのチーム練習は、

状況判断力を練習段階から養おうという狙いで

「頭を使うメニュー」が多くなってきていました。




そのため、どちらかというと、「考える時間」を減らし、

心理的な余裕をなくすことですばやい判断を養おうとしてきたせいで

「タッチ数を少なくする」(ダイレ・ツータッチ)方向のメニューが多かったのです。



ピッチ

しかし、前々回の練習でしたか、

逆に、「タッチ数を多くする」というメニューをやりました。

(鳥かごで、四回以上ボールに触れないとパスしてはならないというもの)







持ちすぎは確かによくないのですが、

持てないのもよくないのです。




持てる実力がありながら、持ちすぎない。

これが理想。







うちのチームは、まだまだ足元でボールがもてないんだと感じています。

だから、試合になると、パスを蹴り急いでしまっている。

あるいはシュートを撃ち急いでしまっている。



プレーが早いのは、判断が早いからではありません。

単に心理的ゆとりがないだけなのです。

慌て、焦っているだけ。


ボールを足元で持てるからこその心理的余裕、

あるいは、だからこその、精神的な優位性がないのです。







鳥かごで、四回以上触らないとパスができないというルールは

なかなか練習としては効果的でした。

足元でボールを持ち敵をひきつけてからでもパスを出せるんだというのが

実感として広まっていったように思います。






こういう練習を続けていくと、これまでの試合でつながっていないようなパスも、

ちゃんと味方へつながるようになると思います。




というのも、足元で誰かが今よりも一秒、

ボールを長く持てるようになったとします。





一秒・・・・・・・これがどういう時間だと思いますか?



人間って100メートルを、速い人で10秒、遅くても20秒で走れます。

てことは、遅い人を基準にしたとしても、

100メートル÷20秒=5メートル/秒

つまり、一秒に5メートルも走ることができるのです。




これって、何気にすごいですよね!?

あの狭いフットサルコートでの5メートルと言えば・・・かなりの距離です。




パスコースがないと思っても、

一秒後には味方が5メートル動いているわけで

新たなパスコースが生まれているはずなのです。




なので、ボールを保持している人が、

やみくもに焦って蹴ってしまうのではなく、

そのたったの一秒間、がまんして足元でボールを保持する力があれば

今つながっていないパスも、新しく生まれるパスコースへ向けて

つながるようになるはずなのです。





※ちなみに以前、「もう一つの四秒ルール」というコラムを書きましたが

四秒あれば、遅い人でも20メートル走れるんですよね~!

そりゃ点も入りますよね。






そんなこんなで、逆説的ですが、

チームとしてパスをテンポよく回していくためには

一人一人が足元でためる力も必要だというわけです。



ボールの持ち方についてここ最近口をすっぱくしていろいろ言っていますが、

一秒間だけでも今より長く安全にキープできるよう

練習から意識してやっていきましょう!

fcintro at 00:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)